批評・評論

闘う書評

結局流し読みをして古本屋に売り払ってしまった。最近、本格的な小説はあまりよんでいないので取り上げられている本のほとんどに目を通していないから何ともレビューを書きづらいところ。ただ、たまに福田氏のひねくれた文体を読みたくなるときがあるんです…

インテリジェンス人間論

日本の総理大臣やロシアの大統領から思想家、スパイまで、150人あまりが登場する人物論。橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、プーチンといったよく知れた人物から蓑田胸喜のような今日、忘れ去られた人物まで幅広く取り上げて論じている。 人間を論じたものを読…

愛と幻想の日本主義

難解だ。この二人が遠慮なしで本気で対談するとこんな感じになるのかというのが、率直な感想。あえて脚注は付けなかったとのことだけど別冊宝島レベルの雑学知性(?)で頭を理論武装している私では正直読みこなすのはきつかったです。 サブカルとメインカル…

アニキの時代―Vシネマから見たアニキ考 (角川SSC新書 23)

アニキとは何かを真正面から論じた他に類例が無い好著。ありとあらゆる分野にアニキは存在し求められている。決してオヤジではないところにポイントがあると筆者は指摘する。黙って背中を見せ、決してオヤジのように能書きや説教をたれない。一対一で人(決…

国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)について書こうと思っていたけど

本日の15時からおこなわれた国家基本政策委員会合同審査会、いわゆる党首討論について書こうと思っていたけど、あまり心に響く内容ではなかったのでせっかく視ましたが、これについて詳しく書くのはお蔵入りにします。まあ、印象的だったのは、麻生総理が、…

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

抱腹絶倒。ただ、これが、現実にはない夢の国の話か、せめて世界の超大国と呼ばれる国の話ではなく、誰も知らない国の話であったならよかったのだが。アメリカって本当にすごい国だなあ・・・アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paper…

新・批評の事情―不良のための論壇案内

かって読んだときは、前著の方が面白いなあと思ったのですが、改めて目を通してみると、こちらも面白い。実は、本書で取り上げられた33人の論客のことは、2年前本書を購入したときにはほとんどしらなかった。2年たって半分ぐらいは名前がわかるようになった…

愛国者は信用できるか

ありとあらゆる社会問題、事象を「愛国心」という言葉で解決することができるという人々に対する違和感の意味を古今の愛国者や愛国心を論じた論者を紹介しながら、見事に解きほぐした名著。愛国心などということは、声高に叫ぶことではなく自分の胸の中で思…

ナショナリズム―名著でたどる日本思想入門

日本ナショナリズムの起源を10冊の文献を読み解き紹介する形でさぐった名著。石光真清『城下の人』から本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』、小沢一郎『日本改造計画』まで多様な文献が取り上げられる。日本人とは何か、愛国心とは何か、そして日本のナショナリズ…

ニッポンの知識人

現代の日本の知識人を思想地図を3人の評論家の鼎談の形で紹介したユニークな書。前半部は鼎談だが、後半部は知識人ミシュランと題して代表的な各分野の個々の知識人の思想概要を解説をおこなっている。 細分化された日本の思想状況を鳥瞰して一度見てみたい…

中吊り倶楽部 「メディアの辻説法師」と「業界の地獄耳」の高級時事漫談

「メディアの辻説法師」宮崎哲弥氏と『噂の眞相』元副編集長の川端幹人氏が週刊誌各誌を批評(?)する。というか突っ込みまくる今は亡き朝日新聞総合誌『論座』の名物連載をすべて掲載し書籍にまとめたもの。定価は1,000円とお手軽な値段に設定されており、…

自由と民主主義をもうやめる (幻冬舎新書)

講演会で話した内容を基にして文章をおこしているので、少し説明が荒く感じるところもあるが、保守とは何かということについて簡便に理解を深めるには最適の書。 冷戦期のように左翼陣営と保守陣営の対立軸が社会主義か自由な資本主義化と単純な2項対立で理…

暴走老人! 2009年04月18日 15:13

4/16(木)関西テレビのアンカー内の宮崎哲弥がコメンテーターを務めるニュースの哲論のコーナーで、高齢者の犯罪の問題が取り上げられていた。このコーナーでは、まず高齢者(65歳以上)犯罪が増えている現状が犯罪白書の統計を紹介する形で報告した。犯罪…

本業 (文春文庫 あ 41-3) 2009年04月17日 23:45

ミランカ[miranca]で配信されていた「博士も知らないニッポンのウラシリーズ」で水道橋博士が見せた人間に対する鋭い観察力や批評力、ツッコミ力には敬服し、いつも楽しみにして見ていたが彼の書いた本ははじめて読んだ。しかもタレント本の書評本。タレント…

人物戦後政治―私の出会った政治家たち 2009年04月13日 01:32

石川真澄さんの『戦後政治史』(岩波新書)を高校生の時に読まなければ、私が今ほど戦後政治や政治家に関心を持つことはなかっただろう。手垢がつき変色し擦り切れるまで読んだ本だった。大げさではなくその後の人生を変えたと言っていい。政治的には石川さ…

日本の反省―「豊かさ」は終わったか 2007年12月08日 00:34

10年以上に出版された書籍だが、この本の中で指摘されている日本の問題はまったく古びていないと感じた。 豊かであるはずなのに不況を感じる矛盾、アメリカはもう手本とはならない、簡素の生活を求めるべきだ。新書という体裁もあってか、具体的な政策的処方…

批評の事情 2006年01月22日 00:03

宮台真司について都会モンの優越感に腹が立つ。福田和也について、典型的なブルジョワージーの匂いがして、田舎物でプロレタリアートの自分は階級的についていけないと書く。 単なる批評家ガイドとして読むのも良いし、筆者が考える批評のスタイルについて学…