日本の反省―「豊かさ」は終わったか 2007年12月08日 00:34

 10年以上に出版された書籍だが、この本の中で指摘されている日本の問題はまったく古びていないと感じた。


 豊かであるはずなのに不況を感じる矛盾、アメリカはもう手本とはならない、簡素の生活を求めるべきだ。新書という体裁もあってか、具体的な政策的処方箋は必ずしも十分提示されていないのだが、経済思想史の大家としての豊かな見識が本書の端々に現れている。


 アメリカのエコノミストは経済のことしか考えないから駄目だという下村治の言葉を紹介しながら経済学は「よき社会」のあり方を提示すべきだと断じる著者の姿勢には共感を覚えた。


 筆者は日本の保守派の良質な部分を代表していたと思うのだが、彼の衣鉢を継ぐものは、日本のエコノミストの中に今いるのだろうか。

日本の反省―「豊かさ」は終わったか (PHP新書)

日本の反省―「豊かさ」は終わったか (PHP新書)