アニキの時代―Vシネマから見たアニキ考 (角川SSC新書 23)

 アニキとは何かを真正面から論じた他に類例が無い好著。ありとあらゆる分野にアニキは存在し求められている。決してオヤジではないところにポイントがあると筆者は指摘する。黙って背中を見せ、決してオヤジのように能書きや説教をたれない。一対一で人(決して人材としてではない)と向き合うそんな姿勢に打たれる。こんなアニキが現実に傍にいてくれれば、本書を読み返すたびにそう思う。


 特に最終章で紹介されている小沢のアニキ(小沢仁志さん)の泥臭く汗臭い叫びが、うまく言葉にできないが一番胸に残った。この人は、本気で生きている。書いてしまうと陳腐だが、そう感じずにはおれなかった。

アニキの時代―Vシネマに見るアニキ考 (角川SSC新書)

アニキの時代―Vシネマに見るアニキ考 (角川SSC新書)