思想

おのがデモンに聞け

『おのがデモンに聞け』タイトルだけで買って読みたくなる吉田書店の書籍です。同じ出版社の近刊では、『三木武夫秘書備忘録』も読みたいところですが、最近、まったく本を読む時間がないのと積読がおそらく100冊を軽く超えているので我慢します。 吉田書店…

現代日本政治のマトリクス

東京工業大学教授の中島岳志さんの日本記者クラブでの講演動画をたまたま拝見し、そこで紹介された現代日本政治のマトリクスについてどうとらえたらいいか、ここ数日ずっと考えています。 私は、家事の最中や就寝時にラジオを聴いたり、講演の動画を流したり…

ツッコミが面白い

元々の学者の講義内容よりも2ちゃんねらーの書き込みが面白い。「5人の若者と1人の団塊親父がいる」という書き込みを読んで思わず一人で爆笑してしまった。 ●哲学者「1人が死ねば5人が助かる、1人が生きると5人は死ぬ。正しい行いは?」アルファルファ…

アニキの時代―Vシネマから見たアニキ考 (角川SSC新書 23)

アニキとは何かを真正面から論じた他に類例が無い好著。ありとあらゆる分野にアニキは存在し求められている。決してオヤジではないところにポイントがあると筆者は指摘する。黙って背中を見せ、決してオヤジのように能書きや説教をたれない。一対一で人(決…

ヤクザと日本―近代の無頼 (ちくま新書 702)

近世から現在に至るまでのヤクザの歴史をその思想性にまで迫り振り返った一冊。テーマを聞くとともすれば、実話系雑誌のような内容を想像してしまうかもしれないが、きわめて冷静な筆致と該博な教養に基づいて書かれたヤクザ史。こうした書籍は、本格的な内…

新・批評の事情―不良のための論壇案内

かって読んだときは、前著の方が面白いなあと思ったのですが、改めて目を通してみると、こちらも面白い。実は、本書で取り上げられた33人の論客のことは、2年前本書を購入したときにはほとんどしらなかった。2年たって半分ぐらいは名前がわかるようになった…

右翼と左翼

いまさら人に聞くことはちょっと恥ずかしい「右」とか「左」ってどういう意味?という問いをわかりやすく説明する一冊。右翼と左翼という言葉が生まれた起源はもちろんのこと、その定義や日本社会ではどのように捉えられてきたかということまでやさしく解き…

愛国者は信用できるか

ありとあらゆる社会問題、事象を「愛国心」という言葉で解決することができるという人々に対する違和感の意味を古今の愛国者や愛国心を論じた論者を紹介しながら、見事に解きほぐした名著。愛国心などということは、声高に叫ぶことではなく自分の胸の中で思…

ナショナリズム―名著でたどる日本思想入門

日本ナショナリズムの起源を10冊の文献を読み解き紹介する形でさぐった名著。石光真清『城下の人』から本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』、小沢一郎『日本改造計画』まで多様な文献が取り上げられる。日本人とは何か、愛国心とは何か、そして日本のナショナリズ…

反西洋思想

オクシデンタリズム、「敵」によって描かれる描かれる非人間的な西洋像、「殺人的な憎悪」という聞きなれない言葉を使って世界の各地にある反西洋思想ともいえる筆者たちのいうところの「偏見」の数々に検討を加え、その歴史的ルーツをたどったユニークな書…

Googleが選ぶ20世紀の名著100選

榊原英輔さんという方が作成されてウェブサイト公表されている大変興味深い文献リストを見つけたので、忘れてしまわないうちに日記に書く形でブックマーク代わりに記録をつけておきます。 Googleが選ぶ20世紀の名著100選 http://arekore.nobody.jp/best…

ニッポンの知識人

現代の日本の知識人を思想地図を3人の評論家の鼎談の形で紹介したユニークな書。前半部は鼎談だが、後半部は知識人ミシュランと題して代表的な各分野の個々の知識人の思想概要を解説をおこなっている。 細分化された日本の思想状況を鳥瞰して一度見てみたい…

自由と民主主義をもうやめる (幻冬舎新書)

講演会で話した内容を基にして文章をおこしているので、少し説明が荒く感じるところもあるが、保守とは何かということについて簡便に理解を深めるには最適の書。 冷戦期のように左翼陣営と保守陣営の対立軸が社会主義か自由な資本主義化と単純な2項対立で理…