行政
アメリカによる『年次改革要望書』を取り上げたある意味、大変面白く意義深い新書。ただ、この種の論は一つ間違うと、ある特定の事由が社会を動かしているとする陰謀論に陥ってしまう可能性があり、読み方に気をつけなければいけない書物といえる。拒否でき…
この男は強い男だ。一読してそう感じた。挫折を乗り越えた経験を持つ人間は強い意思を持つ。彼は、その意思の力で国会議員になり、孤立する中でも戦いを続け、そして今、悲願の市長の座を手にした。しかし、多くの名古屋市の有権者や全国の河村たかしのファ…
平成の大合併とはなんだったのかを豊富な現地取材で得た事例を紹介しながら考える一冊。地方分権改革のキーマンだった野中広務や梶原拓へのインタビューも掲載されており貴重な資料となっている。 また、巻末に後藤田正晴氏のインタビューが掲載されている。…
変わらないな。本書を一読して覚えた感想である。1995年に地方分権推進方が成立したタイミングにあわせて出版されているので、さすがに古びていると感じる部分もあるが、本書で指摘されている地方政治が抱えている問題(あるいは危機というべきかもしれない…
国土の均衡ある発展などと言っていられた時代は終わり、日本のどこの街に住んでも同じサービスの受けられた時代ももちろん終わりが来た。もう、あたり前の認識になっているけれども本書で紹介されるさまざまな自治体の首長の取り組みを読んであらためてそん…
本書は、ほぼ毎年発売されていたのですが、2,000年のこの版を最後に出版されることがなくなりました。版元の(株)政治広報センターの社長の宮川さんの姿は週刊誌やテレビなどでお見かけすることが時折ありますし、会社のホームページもあるので(株)政治広…
読売新聞朝刊解説面に連載されていた時代の証言者という企画を本にまとめて出版したもの。 実は、本当は、『戦後国土計画への証言』下河辺 淳 (著) ¥2,730、下河辺淳『「阪神・淡路震災復興委員会」委員長 下河辺淳「同時進行」オーラル・ヒストリー』上・…
20数年前、全国には市町村が3,252あった。2009年4月1日現在、市町村の数は1,777。平成の大合併を経てほぼ半減したといえる。 個人的には、1982年に集中的に取材をおこなって出版された筆者の前著『地方政治家』の方が、一人ひとりの政治家の人間性に深く迫っ…
地方自治体の職員向きに発行されている政策情報誌。時折、読みたいトピックが取り上げれれている時に購入して流し読みしている。 北側県政時代の三重県で事務事業評価システムを作り上げた梅田次郎氏が40年の自治体職員としての歩みの振り返るインタビューが…
行政の仕事とは、本当のところどんな仕組みで動いているのか。国はもちろんだが、個人の生活に身近な所にあるはずの市町村について私たちは恐ろしくその実態を知らないのではないだろうか。本書では、多数の部局で豊富な実務経験を積んだ元行政マンが自治体…
自分の関心のある県の知事のみ読んでも興味深く、深い考察がおこなわれているわけではないのですが、気軽に読みたいところだけ読んで、秋の夜長の暇つぶしに使えるのではないでしょうか。 かつては、国からの補助金等の市町村への分配役としての機能を期待さ…
瀬島龍三や野中広務についてのノンフィクションで有名な筆者が、月刊誌等に掲載した文章を新書にまとめたもの。1時間程度でさっと読んだ。読んでいる途中で何となく一度読んだことがあるようなと既視感を覚えた。てっきり書下ろしと思って買ったため不思議な…
−小泉が強いのではない− 強くなったのは首相の権力であると筆者は分析する。 個別の政策に対する評価は別として小泉総理がこれまでの総理にないリーダーシップを発揮してきたことについては、国民の中で、一定の共有がなされているのではないか。本書では、…
関心を持つタイミングとしては、大変遅いのですが、そういえば、牛肉の問題はなんだったのかと考えてふと積ん読状態になっていた自宅の本の山から手に取りました。 日本のBSE発生から、その後の対応のプロセス、アメリカ畜産業界の事情などがアメリカ取材…
横浜市長の中田宏の初当選から2年半の取り組みをブレーンたちが取りまとめ報告したもの。 抽象的な描写が少なく、具体例に基づいて実際的に書かれており読みやすい。自治体改革のポイントは、現場の職員の意識をどうやって変えるかにあると思うが、そのため…
たまたま食事に出かけたついでに立ち寄った古本屋で手にとって購入し読みました。英国と日本の行政の違いが、筆者の両国大蔵省での経験から比較され紹介されています。私は、特に、日本と英国の人事のシステムの違いに興味を引かれました。本格的な研究書で…