歴代知事三〇〇人 日本全国「現代の殿さま」列伝 2007年09月26日 23:52

 自分の関心のある県の知事のみ読んでも興味深く、深い考察がおこなわれているわけではないのですが、気軽に読みたいところだけ読んで、秋の夜長の暇つぶしに使えるのではないでしょうか。


 かつては、国からの補助金等の市町村への分配役としての機能を期待され、旧自治省を中心とした官僚の天下り先として知事というポストは位置づけられてきました。それが地方分権時代を迎えた現代においては、大統領的なポストとして魅力的なものになり、国会議員などが積極的に転身を目指すポストとなってきている。そうした時代の変遷を感じました。


 それぞれの知事に対する評は、いかにも元キャリア官僚らしいです。それにしても、転身に失敗した経験を持つからというと失礼かも知れませんが、彼の筆致からは、ある種のルサンチマンを非常に感じます。ある意味諦めを知っているというか、斜に構えて書いていますね。若いころの著作は、もっと大上段に構えていた記憶がありますが、ある意味最近の教養本的な著作の方に好感を感じます。

歴代知事三〇〇人 日本全国「現代の殿さま」列伝 (光文社新書)

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