2009-05-17から1日間の記事一覧

反西洋思想

オクシデンタリズム、「敵」によって描かれる描かれる非人間的な西洋像、「殺人的な憎悪」という聞きなれない言葉を使って世界の各地にある反西洋思想ともいえる筆者たちのいうところの「偏見」の数々に検討を加え、その歴史的ルーツをたどったユニークな書…

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる

アメリカによる『年次改革要望書』を取り上げたある意味、大変面白く意義深い新書。ただ、この種の論は一つ間違うと、ある特定の事由が社会を動かしているとする陰謀論に陥ってしまう可能性があり、読み方に気をつけなければいけない書物といえる。拒否でき…

忘れられない国会論戦―再軍備から公害問題まで

官僚に作ってもらった質問の朗読、同じく原稿の棒読みによる答弁、ばかりがおこなわれ論戦とよべるものはほどんとおこなわれてこなかったと考えられて来た戦後の国会において、真の論戦と呼ぶにふさわしい激しいやり取りが交わされていた。その記録を戦後の…

火の国、風の国物語6 哀鴻遍野 (富士見ファンタジア文庫)

もう、ほとんどライトノベルは読まなくなったが、最近評判の高い、本書の最新刊を手にとった。ライトノベルという形態の特色性ゆえに、キャラクターの造形には力が入っており、ある種の萌えキャラなどももちろん登場する。そちらにばかり目が行ってしまうか…

あいちの政治史

再読。中日新聞社会部が戦後三十年余りを契機にとして総力をあげて、地方の政治の記録を徹底的な取材でまとめた労作。戦後、三十六年という時間の流れは、一つの世代が退場していくには十分な時間で、あいちの政治史をつくった証人たちに直接取材をおこなう…