時代の証言者〈7〉国づくり―下河辺淳/鈴木俊一 2009年04月14日 19:03

 読売新聞朝刊解説面に連載されていた時代の証言者という企画を本にまとめて出版したもの。


 実は、本当は、『戦後国土計画への証言』下河辺 淳 (著) ¥2,730、下河辺淳『「阪神・淡路震災復興委員会」委員長 下河辺淳「同時進行」オーラル・ヒストリー』上・下(GRIPS)※一般の出版物になっていないためすぐには入手できない、『官を生きる―鈴木俊一回顧録』鈴木 俊一 (著), 政策研究院政策情報プロジェクト¥2,940を手に入れて読みたかったのだが、今月は懐具合が寂しくなってきたためちょっと手が出せない。積読状態になっている本も多いしということで、定価450円(中古価格100円)という破格の価格で出品されてい本書をamazonで注文した。


 さて、本が届いてみて袋を開封してでてきたのは、本というよりは薄いブックレット。しまった安物買いで失敗したかと後悔しかけたが(定価450円という時点で普通そういうものがくるだろうと想像しないといけないですね(笑))。しかし、読んでみると意外や意外(すみません)なかなか面白い。下川辺氏が語る政治の思惑によって国土計画策定がふりまわされる状況は、今も昔もそう政と官の関係は変わっていないのではと感じさせるし、鈴木氏が語る戦後の東京都の歩みからは断片的とはいえ戦後の地方自治の姿を知ることができた。やはりお二人のオーラルヒストリーは、少々値は張るがきちんと購入して読むことにしよう(笑)


 最後にもう一点、世界都市博覧会の中止に関して。この本の元になったインタビューがおこなわれたのが2004年、もう中止の騒動から10年近く経っているのによほど腹に据えかねておられるのか、一言、「青島さんは実にわけのわからん人だと思いました」だからなあ(笑)。まあ、無理もないでしょうが。世界都市博覧会の中止については、やはりというか鈴木氏はいまだに根に持っておられるということがよく伝わってくる印象に残る一文でした。

時代の証言者〈7〉国づくり―下河辺淳/鈴木俊一 (読売ぶっくれっと)

時代の証言者〈7〉国づくり―下河辺淳/鈴木俊一 (読売ぶっくれっと)