日本のアウトロー取材の先駆的ジャーナリストとして知られる筆者による山口組論。本書一冊で山口組の発祥から近年の動向まで概観することができる。第3者が書いた山口組の通史といってもいいと思う。本書の最後で筆者は、ある意味社会的に追い詰められた者の最後の拠り所であったやくざ社会が変質しつつあることを指摘しているが、もしそうであるとするならば、それが崩壊した向こうにある社会はいったいどんなものなのだろう。想像し少し背筋が寒くなるのを感じた。
- 作者: 猪野健治
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 新書
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