日本共産党

 日本共産党という党の体質が非常によく理解できるようになる一冊。本書の出版を機に筆者は評論家、作家として活躍することとなった。


 それにしても、なぜ、共産党は個々の政治家のキャラクター、個性を伸ばすことで党勢拡大を目指さないのだろうか。私は共産党とはま逆の立場にいることを自任しているので、どうでもいいといえばいいし、いらぬお世話だろうが、筆者のようなユニークな人材を活用できない共産党という党の体質はなんというか、もったいないと感じた。党首の無謬性を守るためには、スターが他に出ては困るということなのだろうが。


 例えば、党幹部は除くにしても、せめて衆院選小選挙区候補者の同列の重複立候補を認めて、候補者同士を公平に競わせるぐらいのことはしてもよいのではと前から思うのだが、それすらしない、まあ、それについても理由はあるのだろうが、不思議な政党だ。

日本共産党 (新潮新書)

日本共産党 (新潮新書)