敗戦や公職追放を経て一旦寸断されながらも、しぶとく生き残った昭和の政党政治家を保守系の代議士の動きを中心にまとめたもの。保守政党の視点から昭和前期の政党政治を一通り俯瞰するには、類書と比べても新書としては充実した内容だと思います。
最近あらためて昭和前期の政治家について取り上げた書物を集中的に読んでいます。良くも悪くも55年体制を形作った政治家たちには、人間くさい躍動感が感じられ、人間味だけに触れても大物ぞろいだなとあらためて感じるのですが、彼らの位牌を継いだ人々は、まだ、新しい体制を形作るには至たらず。時代状況が違うといってしまえばそれまでですが、現代の政党政治が歴史になった時に昭和の政党政治と比較してどちらが高い評価を得るのかとても興味があるところです。

- 作者: 楠精一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/01
- メディア: 新書
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