選挙 2009年04月13日 22:20

 たまたま掃除をした所、公開時に劇場で買ったパンフレットを見つけてパラパラ読みながら内容を思い出してレビューしています。


 選挙に関わったことのある人なら「ある、ある」とうなづけるような日本の選挙にまつわる不条理なことがいくつも目に付く映画です。選挙経験がない方(幸運にして?)には、喜劇か触れたくない世界に思えるかな。


 この映画、公開時はかなり評判になり海外でも絶賛(?)されたとのことだったけれども、それぞれの国によって選挙制度や政治風土も違うので一概には論じられないけど、おそらく欧米圏の選挙しかしらない外国人が、日本の選挙のステレオタイプ(陣営によって多少の差はあれ日本の選挙は実際そのようなものなのですが)がこのようなものだと見られたかと思うと少々複雑な感情を覚えずにいられません。


 やっている人間はもちろん真剣そのもの、関わるのは場合によっては命がけとまではいかないが、おそろしくエネルギーを使う行為だということを知っているので一概に否定したくないという感情が私にはあるのですが、でもこういう選挙で日本の選挙はいいのかなあ。やっぱまずいよなあ・・・


 後、映画で紹介される候補者の山内さん、結局、議員は一期でおやめになったとのこと。どうしても忘れられないのは、劇中で取り上げられた映像を見た限りでは、彼が何をなしたくて政治家になろうとしたのかまったくわかりませんでした。もっとも選挙に出るだけでもものすごくリスクと勇気がいることです。それだけでも敬意を感じる部分はあるのですよ。でもなあ、やっぱりひっかかる。


 最もああいう感じのあやふやな姿勢の立候補者は、私の知る限りでも多い気はするので、彼が特別悪いといっているわけではないのですが。若さでガツンと政治をやりますとか明るく安心なまちづくりをとか連呼するだけの選挙、きっと本当は彼にはもっと語りたいことがあったのではと、多少、希望も含め思うことにします。


 ただ、劇中でも自由に政策を語る機会を与えられるシーンもあったのに何もいえんかったしなあ。人柄の良さそうな方なのでまったく悪感情は持てず。それであまり責めるような書き方はしたくないのですが、どうしてもちょっとひっかかりが最後まで残る作品だったです。


 ドキュメントとしては満足度★5つでもよい意欲作ですが、そういうひっかかりの分を引いて★4つとしました。

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