記憶

読み終えて、ふと思い出したことがあります。もう亡くなられたのですが、若いころにある政治家と車に一緒に乗っていて、たまたま駅のロータリーで停車した際におばさんが話しかけてきたことがありました。

ちょうど状況としてはブログの記事に似ていたのですが、にこやかに会話をされていたので「先生、あの方とは親しくお付き合いされているのですか?」と伺ったところ、よく思い出せないとのお返事。とてもそうは見えなかったので、政治家は、コミュニケーションの達人だなと感じたことを覚えています。

知らないときは、知らない。忘れたときは忘れた。そういってしまう方がいいのでしょうが、なかなかそうは言い出せないときがありますよね。誰かの記憶に残ることはうれしいですが、たとえ忘れられたとしてもその人と交流したことを自分が忘れていなければ、それでいいと私は思います。

そういえば、その時のことで思い出したのですが、あの時、「青木君、僕らは知らないとは言えないんだよ。しっかり覚えるようにしないといけない。私はまだまだだと」という意味のことをおっしやったと思います。この出来事だけが理由では、ありませんが、私はできる限り忘れないように努めています。あれからずいぶんと時が経ちましたが、現場で覚えたことは忘れないものです。