●新書レーベル目録

No レーベル名 創刊年 発刊数 ほぼ読書人のコメント
1 岩波新書 1938 3760 中公新書講談社現代新書とともに教養新書御三家とよばれた、岩波文化の象徴であるといえる日本最初の新書レーベル。岩波書店を象徴する出版物。執筆者の基本的な思潮は、かっての左派、現在のリベラル。装丁は赤版、青版、黄版、新赤版、さらに新赤版に2006年4月から装幀がリニューアルされた。どの版を読んできたかで世代がわかる。ちなみに、私は、新赤版世代。2006年からのリニューアル版はまだ購入したことがありません。
2 岩波ジュニア新書 1979 692 中学生、高校生を主な読者対象として創刊されました。大人が読んでもわかりやすい啓蒙書として定評のある新書も多いです。
3 岩波アクティブ新書 2002 128(廃刊) 一般人の知的関心にこたえるをコンセプトに創刊されたが、2004年年で12月で廃刊。講談社現代新書などを手に取る読者層の獲得を狙ったのではないかと思いますが、無理に創刊する必要はなかったのでは。岩波書店の経営をさらに圧迫したのではとちょっと心配になります
4 中公新書 1962 2987 岩波新書講談社現代新書と並び教養新書御三家とよばれた。岩波と比べると保守ないしは、中道の思潮の著者が多いと感じます。ただし明確にそうした論者だけが執筆しているわけではありません。内容は、学術書や研究所に近くやや硬く難解に感じるものが多いです。
5 中公新書ラクレ 2001 319 中公新書と比べると実用的なテーマや軟らかいテーマを取り上げている新書。論争集や対談などの編集者企画物も多く出版されています。
6 講談社現代新書 1964 2,357 岩波新書教養主義なら、こちらは講談社らしく大衆路線を元々貫く新書だったはずだだったが、近年は、あまり差がないように思えます。入門書やハウツーものでシェアを拡大しました。近年は、ややサブカルものに強い印象があります。
7 講談社+α新書 2000 578 A:こころ、B:からだ、C:あたま、D:ゆとりの四種類に分類で発行されています。実用書が中心。
8 講談社ブルーバックス 1963 1633 自然科学全般について一般読者向けに開設している新書シリーズ。私は買ったことはありませんが、自然科学の研究者の中にはこのシリーズを読んだ事がきっかけで学者になった人も多いとのこと
9 ちくま新書 1994 785 サブカル、ヤクザ、格差社会、若年層の就労など幅広いテーマを取り上げているイメージがあります。
10 PHP新書 1996 599 PHP研究所創設50周年を機に1996年に創刊された新書。筆者にはPHP研究所発行の「Voice」の常連執筆者とが多いです。どちらかといえば右派、保守的な論調が目立ちます。
11 洋泉社新書y 2001 149 日本の歴史や文化、風俗を取り上げた新書が多いです。
12 文春新書 1998 693 20世紀末から21世紀初頭にかけての新書創刊ブームの火付け役(?)となった新書レーベル。以前は一月の刊行数が6冊〜8冊と他の新書と比べて比較的多いこともありました。最近は月5冊程度の発行に落ちついています。文藝春秋社の新書らしく、執筆人も多様な人材をそろえている印象があります。
13 光文社新書 2001 400 創刊当初はどちらかといえば地味なイメージだったが(すみません)近年は、『下流社会』、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などのヒット作をいくつも生みだしています。独自の視点からを持つ執筆人が多い印象があり、取り上げるテーマも一風変わったものであることがあります。
14 平凡社新書 1999 467 「教養入門」「時代を読み解く」「趣味と実用」の三本柱をテーマに発行されている新書。新書創刊にいたるまで90年代いっぱいの時間をかけて構想が練ってから創刊したとのこと。大ヒット作には恵まれていませんがスマッシュヒット(?)を堅実に出している印象があります。
15 集英社新書 1999 478 20世紀末から21世紀初頭にかけての新書創刊ブーム期に生まれた新書レーベルの一つ。どちらかといえばリベラルな論者が執筆人には多い印象があります。
16 新潮新書 2003 315 バカの壁』(養老孟司)が400万部、『国家の品格』(藤原正彦)が250万部を超えるベストセラーになり、一躍有名になった新書レーベルです。新書では、史上最速で2005年2月に推計発行部数が1000万部を突破したとのこと。ただ、割合ページ数が少なく、文字が大きく、他の新書に比べると薄いため文字が細かいほど萌える私にはちょっと物足りない新書です(笑)
17 NHK生活人新書 2001 290 「暮らしの中の「?」にこたえる知恵と情報が満載。」の新書とのこと。私の手元には一冊しかこのレーベルの新書はないため論評はしにくいのですが、ウェブサイトで見る限り、生活や健康、暮らしに関わるテーマを取り上げた新書の発行が多い印象を持ちました。
18 角川oneテーマ21 2000 389 角川出版の新書らしく、生活の豆知識から政治本まで幅広いテーマを取り扱っています。
19 インターネット持仏堂 2005年 2 2005年の3月に単発で浄土真宗の入門書2冊のみが刊行されています。
20 ソフトバンク新書 2006 105 この新書レーベルが発表された際にはついにソフトバンクまで新書を出版するようになったのかと驚かされました。まだ刊行した新書の数も少ないのでイメージは出来上がっていませんが、ビジネス雑誌が取り上げるようなテーマをあつかった新書が今のところ多いようです。
21 白水社文庫クセジュ 1951 1049 文庫とうたっているが、版型が新書判のためリストに入れました。フランスの出版社Presses universitaires de France(PUFフランス大学出版局)と提携し、同社の「文庫クセジュ」シリーズを翻訳し日本に紹介している老舗レーベルです。このレーベルについては、私は1、2冊しか読んだ記憶がないので残念ながら確たるイメージがありません。
22 日経文庫 1954 1380 文庫とうたっているが、版型が新書判のためリストに入れました。経済、経営関係の実用書が中心のレーベル。小B6判のベーシック版も同じ日経文庫として出版されているため正確な刊行数は把握できませんでした
23 朝日新書 2006 178 2006年10月13日に創刊。創刊時には、一挙に12冊もの新書を刊行しびっくりしました。朝日新書のウェブサイトには「担当編集者が語る創刊12冊」というコーナーまであり相当思い入れがあるようです。その後は、月5冊程度のペースで発行されています。
24 ちくまプリマー新書 2005 113 ちくま新書の姉妹シリーズ。実用新書のイメージが強いです。
25 集英社新書ビジュアル版 2005 12 集英社新書の姉妹シリーズ。カラー写真を使ってビジュアルにうったえかける新書です。まだ、刊行数は多くありませんが、目を引く新書です。
26 飛鳥新書 1946 18(廃刊) 角川書店から発行されていたようです。
27 河出新書 1948 336以上 河出書房から1965年まで刊行されていた新書のようです。
28 四季新書 1951 8以上 四季社から1956年まで刊行されていた新書のようです。
29 東大新書 1951 46以上 東京大学出版会から1986年まで刊行されていた新書のようです。
30 アサヒ相談室 1952 12 朝日新聞社から1956年まで刊行されていた新書のようです。
31 朝日文化手帖 1953 35 朝日新聞社から1955年まで刊行されていた新書のようです。
32 三笠新書 1952 26 三笠書房から1956年まで刊行されていた新書のようです。
33 ハヤカワ・ミステリ 1953 私が感覚的に捉えている新書の範疇には入りませんが、版型が新書の形式をとっていたためWikipediaでは新書のカテゴリーに記載されていました。このリストはWikipediaの定義をとっているのでこのレーベルも記載しました
34 アスキー新書 2007 109 2005年から2008年にかけて相次いだ新書レーベルの新規参入の一つ。「好奇心のブックマーク 教養のアップデート」をキャッチコピーに刊行されているレーベル。ビジネスやPC・ITに関する新書の発行が多い
35 学研新書 2007 55 2005年から2008年にかけて相次いだ新書レーベルの新規参入の一つ。歴史や文化に関する新書の刊行が中心のレーベル
36 角川SSC新書 2007 72 2005年から2008年にかけて相次いだ新書レーベルの新規参入の一つ。幅広いテーマを取り扱うレーベル。やや本の厚みが薄い。
37 KAWADE夢新書 1996 255 河出書房新社が発行するレーベル。日本文化や歴史に関する新書が多い。
38 リュウ・ブックスアステ新書 2002 66 経済界が発行するレーベル。ビジネスや日本文化に関する新書が多い。
39 幻冬舎新書 2006 122 2005年から2008年にかけて相次いだ新書レーベルの新規参入。今、最も勢いのある出版社として常に注目を集めている幻冬舎も参入しています。創刊時は、一挙17冊を刊行し書店の新書コーナーを黄色一色で占領した。幻冬舎は文庫を創刊する際にも一挙に62点を刊行し話題になったが、いつも攻めの姿勢を忘れない。白川道内館牧子団鬼六といった新書を普段書かないと読者が思い込んでいる小説家にあえて新書を書かせるなど冒険的なこともしています。それでいて浅羽 通明、手嶋龍一、小浜逸郎日垣隆香山リカ佐藤優和田秀樹宮台真司といった新書書きの売れっ子もしっかり抑えているあたりなど、抜け目がないというか、うまいですね。今もっとも勢いがあり一番注目しているレーベルです。
40 カッパブックス 1955 682 光文社から2005年まで刊行されていた新書のようです。
41 三一新書 1954 1154 三一新書から2004年まで刊行されていた新書のようです。
42 小学館101新書 2008 32 2005年から2008年にかけて相次いだ新書レーベルの新規参入の一つ。毎偶数月の頭に発行。比較的幅広いテーマを扱っています。
43 祥伝社新書 2005 167 2005年から2008年にかけて相次いだ新書レーベルの新規参入の一つ。サブカルから歴史まで多様なテーマを扱っています。
44 ノンブック 1971 508 祥伝社から2004年まで刊行されていた新書のようです。
45 日本新 1964 528 日本共産党の出版部門、新日本出版社から2002年まで刊行されていた新書のようです。
46 青春新書 1955 253 青春出版社から刊行されている実用、自己啓発系の新書です。
47 サイエンス・アイ新書 2006 117 ソフトバンククリエイティブから刊行されている自然科学全般について一般読者向けに開設している新書シリーズ。PC・IT系の新書が多い。2色ないし4色刷りを使っていることも特徴の一つ。
48 宝島社新書 1999 290 宝島社から刊行されている新書です。サブカルから自己啓発的な内容まで幅広く取り扱っています
49 中公PC新書 1996 25 中央公論社から1998年まで刊行されていた新書のようです。
50 中公クラシックス 2001 116 1960年代から80年代年にかけて刊行された世界の名著や日本の名著の改訂新版を中心に、新古典の代表作も復刻刊行している。
51 パンドラ新書 2005 62 日本文芸社から2007年まで刊行されていた新書のようです。主に日本の歴史、風俗、文化等を扱っていました
52 PHPビジネス新書 2006 97 PHP研究所から刊行されている新書です。ビジネス書的な内容が中心のレーベルです。
53 扶桑社新書 2007 49 2005年から2008年にかけて相次いだ新書レーベルの新規参入の一つ。扶桑社から刊行されている新書です。どちらかというと保守的な傾向の強いレーベルです。
54 ベースボール・マガジン社新書 2007 28 ベースボール・マガジン社から刊行されているスポーツを中心に取り扱う新書です
55 ベスト新書 2001 219 ベストセラーズから刊行されている新書です。教育や自己啓発的なテーマを多く取り扱っています。
56 マイコミ新書 2007 36 毎日コミュニケーションズから刊行されている新書です。ビジネス書的なテーマを多く取り扱っています
57 丸善ライブラリー 1991 377 丸善から刊行されている新書です。総合的に幅広いテーマを取り扱っています。近年出版のペースが開いてきています。

白水社文庫クセジュまでが、宮崎哲弥(2006/10/30)『新書365冊』朝日新聞出版(朝日新書)で取り上げられているレーベル
※表内の創刊年と発刊数の数は2009/5/9時点のもの。各出版社のウェブサイトやAmazon、bk-1の検索を用いて調べています。
※私のコメントについては、各出版社のウェブサイトや新書の奥付の創刊理由、Wikipediaの記述等を参考に書いています。
※この目録では物足りない方はこちらのウェブサイトがお奨めです。新書をさまざまな角度から取り上げており、また、ユニークなシステムの新書検索システムを提供しています。
新書マップ〜テーマで探す新書ガイド〜
http://shinshomap.info/
http://shinshomap.info/search.php


 想像していた以上にこの文章をまとめるのには時間がかかりました。表組みをはてなダイアリー記法を使って作る方法は覚えましたし、はてなの機能をマスターする練習にもなりました。好奇心は満たされましたが、ちょっと疲れました・・・・・・最後あたりが少し息切れ気味のコメントになっているのはその所為です(笑)新書出版形態が確立したのは戦後で比較的新しい出版形態ですが、それでも50以上(廃刊したものも含め)レーベルがあるというのは面白いですね。しかも90年から現在まででずいぶん新書の創刊があいついでいる。出版不況の影響もあって大部の単行本が売れにくいというのが背景にはあるのでしょうが、活字離れといわれる中でもこれだけの新書が出てくる。まだまだ、日本の出版会もそう暗い話ばかりでもないのではと考えるのは素人の浅知恵でしょうか。