選挙の思い出・私が政治家を目指さない理由

実は、若い頃の一時期政治家を目指していたことがあります。今さら何を言っているの若いのに政治に強い関心を持つ人って、皆そうなんでしょうとのご指摘を受けることは多いですが、案外実態はそうでもないです。確かに私自信はそういった若者でしたが、こうした決めつけはよくないなと感じることは多いです。そのことについては、また、あらためて書きたいと思います。
私の政治家への思いは実を結ぶことはなく今に至るのですが、なぜ、そうなったのかを今回はふりかえる回です。いつにも増しておっさんの繰り言が続きますのでそうしたことがお嫌いな方は、無視していただければ幸いです。
若い頃の私を知る人からは、未だに青木君はなぜ政治家にならなかったのと声をかけていただくことがあります。時には失望したと言われたこともありますし、若い頃の仲間で政治家になった友人が青木さんが一番先に政治家になると思っていましたと話してくれたこともあります。
いずれも気にかけていただいてありがたいですが、申し訳ないことにあまりちゃんと理由をご説明できたことがありませんでした。私自身自分の考えが整理できておらず心にないことを答えてしまったこともあります。ここ数年、選挙に関わったり、友人の政治家たちと様々な活動を共にする中で少しずつ考えが整理されてきました。
一言で言うと器でなかったということなのですが、それでは何の説明にもなりませんね。
実際に政治家たちと日常的に接してみて気づいたのは、彼らと比べて私は社会や制度を自分の思うとおりにしてみたい。こういう社会にすべきだという考え、感情が極めて薄いということです。
政治や行政のシステムを相対的に見て理解し既存の仕組みを活用することには一定力を発揮できるのですが、社会を構想することはできない。
しかし、流行りの議論に乗っかって踊ったり(踊らされたり)するには、中途半端に知恵と経験がついているのでそこに思い切ることもできない。こんなことを書くとお叱りを受けそうですが。
理屈をつけているが、単純に今の自分の環境を変える勇気がないだけだろうというご指摘もあると思います。そうした要素がないわけではありませんが、それだけでもないというのが率直なところです。
先日の投稿では不完全燃焼というキーワードを表題に付けましたが、私は政治に関しては燃え尽き切れていない思いを抱えて生きてきました。今日の投稿はその理由の一旦につながるものです。
尊敬する政治家の1人に青木さんのような人は、早い時期に選挙に出るべきだったと思う。結局拗らせてしまっていると言われたことがあります。また、別の方には、青木さんが議会に入ると取引だけに終始する政治家になると思うからならない方がよいと思うとの指摘を受けました。
お二人ともとても敬意を感じる方で私を思いやっての言葉だと感じました。大事に心に止めています。このような会話を政治家とかわせるようになったのは、関係性の積み重ねがあるからで、若い頃には思いもしなかったことで光栄なことだとも感じています。
尊敬できる政治家たちや若い志のある政治家や政治家志望の青年たちと過ごすうちに自分はどこまで言っても彼らのようになれないと心の底から考えるようになりました。志においても専門性においてもとても届かず、また、そこにたどり着こうという気持ちが自分にはないことに気づくようになりました。
人生には、時宜というものがあって、自分が政治に大きく傾こうとするとそれを止める力が働く。外的な状況にその原因を求める気持ちが以前はあったのですが、結局、止めていたのは自分の内面だったのだということがわかりました。
そのことを認めることに少し辛さを感じたのは、私に志の残り火のようなものがあったからでしょうか。少年の頃に憧れた物語の英雄たちのように損得を超えて行動する生き方をしたい。理由は大儀であれ、個人的なものであれ何でもよい。
自堕落な暮らしを重ね馬齢を積んだだけの腹の出た中年のおっさんがこのように書くのは本当に恥ずかしいことですが、心どこかにまだそんな思いが残っていたのだと思います。
だから私には自分が果たせなかった志を追っている人たちのことを少しでも応援して支えたいと行動しているのだと思います。
私が特定の政治運動との関りやイデオロギー的背景がないのにも関わらず一般的には政治活動と捉えられることをずっと続けていることに対して、疑問を投げかけられることもありますが、その理由には、何の裏もなく率直に書けばこういったことがすべてです。
私が選挙に関わり続けている根底には、このような思いがあります。選挙については、他にもいくつか理由はあるのですが、根っこはやはりここにある気がします。志の熱さを少しでも感じながら生きていたい。それにつきます。
今回は、選挙の思い出と書きながらほとんど選挙と関係ない話で終わってしまいました。恐れ入ります。