作業所とドバイ

 私は、政治家のメールマガジンを党派を問わず数十人以上購読しています。もちろん、すべての内容に目を通しているわけではありませんが多い日には20通程度のメールが届くこともあります。基本的にサブジェクトだけチラッとみて興味を引いたものだけ読んでいくのですが、最近、必ず一通り目を通すメールマガジンが二つあります。


●やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ
http://www.mag2.com/m/0000027832.html


参議院議員 田村耕太郎「こうたろうNEWS」
http://www.mag2.com/m/0000201896.html


 山井さんは、京都選出、松下政経塾出身の民主党衆議院議員。福祉専門家としてテレビ出演も多く、著作もいくつか出している議員です。メールマガジンの配信数、購読数ではトップクラスの議員として時々メディアでも紹介されています。田村さんは、鳥取県選出、日本海新聞の役員から自民党参議院議員、山井さんほどではないですがテレビにも時々出演されています。スーツのセンスが個性的な議員です。政策では、メールマガジンを読む限り外交問題や地域振興に力を入れている印象を受けます。


 この日記を書くためにあらためて調べてみたところ、お二人は年齢や初当選の年次も似通っています。党派は違いますが、イデオロギー対立が、基本的にはなくなった最近の政党政治の潮流からいうとそれほど考え方に開きがなくてもおかしくないのですが、メールマガジンを読む限り政治家として大事にしたい問題は大きく違うようです。


 一言で言うと、作業所とドバイの違いでしょうか。


 山井さんのメールマガジンには、社会的な弱者に対する温かい目や福祉行政に対する激しい怒りが満ち溢れています。1週間に何度もかなりの量の文章が送られてくるのですが、常に正義感を感じさせる内容になっています。政治活動の中で会っている人たちも官僚を除けば、母子加算を打ち切られた女性たちといった当事者ばかり。事務所は作業所(障害のある人たちが地域で働くことを応援する事業所)などで買った小物や雑貨であふれているそうです。


 昔からもっと大きな政治(外交、安全保障など)をやりなさいというような批難をうけて来たようですが、めげずに信念を貫いているように感じます(テレビの討論番組でこんな感じのことを言われて絡まれている姿を何度かみました)。20年以上前、彼が松下政経塾に入塾した頃は、福祉を主なテーマにする国会議員はあまりいなかったでしょうし、国民も今ほどそういったことを声高に言わなかった。問題がなかったわけではもちろんないのですが、今日的な視点から見ると先見の明があったということだと思います。


 一方、田村さんのメールマガジンは、社交的なパワーにあふれています。メールマガジンは、割合短文のメールが多いですが、一日数通、届くこともあります。連日、海外の要人などに精力的に会って地元の産品をPRしたり、海外に出てコネクションをつくることにも力を尽くしています。ドバイにスイカを売り込んだりもされています。海外の大学を卒業していることもあり、豊富な経験と人脈を生かして活動している様子がうかがえます。解散のない参議院議員というポジションや地域の有力な家系(岳父は新日本海新聞社などの地元有力企業オーナー)に生まれたことなどを上手く活かしているなあと感じます。


 元々は、保守系無所属で出馬し落選経験もあるのですが、もう二度と落選しないように当選するための政治活動だけをやっているわけではないことは、文面から伝わってきます。政府系ファンドの立ち上げに奔走していることからは、自分で立ち上げ動きを作って行く事にやりがいを感じる経営者タイプなのかなと感じます。


 同じ時代を生きてきた同世代の国会議員でもこれだけ個性が違うのかと思うと、失礼ながらお二人のメールマガジンを読むたびに私は笑いが込み上げてきてしまいます。作業所とドバイ、皆さんはどちらに魅力を感じますか。


衆議院議員 やまのい和則(かずのり)
http://yamanoi.net/


参議院議員 田村耕太郎 公式ホームページ
http://kotarotamura.net/index.php


※総選挙も近くなりました。少しずつですが、投票行動の参考になることも書いていけたらと考えています。