キングダム 1 (1)　2009年04月20日 18:57

　中国の春秋戦国時代を舞台に、後に秦の大将軍となる少年、信と始皇帝となる秦王、政の活躍と成長を描く。

　じっくり各登場人物それぞれの背景を描きながら、ゆっくりしたペースで信と政とその仲間達の成長を見せてくれます。春秋戦国時代を舞台としていますので、主として合戦やバトルものの要素が強い作品となっています。特に当時の戦争の行われ方の描写は、私はこの時代には詳しくはないので史的に正しいのかどうかはわかりませんが、しっかり設定が作りこまれていて面白いです。

　中国神話に登場する神、蚩尤の名を持つ刺客一族の一員だった羌瘣に関係する部分では、多少、伝奇もの的な要素が垣間見えるところもあり、展開にさらに幅を持たせて物語を魅力的なものとしています。

　そうしたわけで毎週連載を読むのが楽しみなのですが、週刊連載とはいえ、どのあたりを終着点に置いているのか、まだ、先がまったくみえない物語です。コミックスが13巻まで出ているのにまだ信も政も青年の一歩手前というところで、多くの修羅場をくぐってきたにも関わらず、敵味方とも圧倒的な力を持つ登場人物が多いことから、まだまだ完全な物語の先導役とはなっていない印象を受けます。しかし、現在、連載で進行中の趙軍侵攻編で信も政もさらなる成長をとげるのは確実でしょうから、物語の中央を駆け抜ける日も近いと期待しています。ますます、今後の展開から目が離せない作品です。