再読。発売された頃に仕事の企画立案に関連して読んだ本。NPOの世界では誰もが知っている名だたる執筆陣。数多くある協働本の中では、それなりに読まれた本だと思う。手引きの名にふさわしく余すところなく協働にまつわるエトセトラを解説している。
さて、誤解を恐れずにいえば、一部のNPOは、行政側からの必要性があってさまざまな促進施策などの影響を受けて立ち上がってきたり成長してきた面があると私は考えている。もちろん、そういったNPOばかりではないし、経緯がどうあれ市民が主体となって社会を改善する活動をおこなう組織体が生まれてくることは良いことだと捉えている。しかし、こうした側面があることを真っ向から否定することができる人は少ないのではないか。
これもまた批判を受けそうだが、この協働という言葉は、その概念で飯を食う人のために存在した時期があった。ないしは、そのために生まれてきたのではないかとの疑念をずっと感じている。すでにブームは去ったが、言葉に踊らされて人生の貴重な時間を浪費した市民の姿(踊らされるほうが愚かだと指摘をうけるかもしれないが)を少なからず見てきたので、わずかながら文句をいいたい(本書の執筆者に対してではない)気持ちになることがある。この点を指摘する人があまりいないのはなぜだろうか。ひょっとしたら私の妄想だからというオチかもしれないが。
- 作者: 今田忠,木原勝彬,田中逸郎,早瀬昇,内山博史,水谷綾,阿部圭宏,直田春夫,新川達郎
- 出版社/メーカー: 大阪ボランティア協会
- 発売日: 2003/01/20
- メディア: 単行本
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