SAMURAI 7 第13巻 (初回限定版)

 黒澤明七人の侍のオマージュアニメ(?)隠れた名作。相川七瀬が主題歌を歌ったバージョンのオープニングを見ていたら久しぶりにまた見たくなった。ともかく登場するキャラクターが渋い。主人公はおっさん。一応、ヒロイン的な役回りのキャラクターも登場するのだがあきらかに主眼は漢たちの群像劇にあるようにしかみえない。こうも漢くさい内容では、はなから視聴率は期待できなかっただろうが。実数はどの程度だったか確認していないのでわからないけれども。


 筋立ては、本家七人の侍と同じ。ただし、舞台設定をSF、近未来的雰囲気と農耕文化が融合した独特の世界に移して描く。敗北を続け人生をあきらめているような生き方をしていながらも誇りを捨てきれずにいる老獪な侍が主人公。雇われて村を救うために仲間を集め戦いに挑む。彼との対比で未熟な少年が真の侍になっていく過程もあわせて描かれていて物語に深みを持たせている。犠牲も出る。どれほど腕が立ってもあっけなく死ぬ。こんな死に方をしないといけないのかという、名誉も何もないそれがいくさ場の真理である。そんな割り切った世界を写しながらも誇りとか矜持としかいえないものを映し出している。良い物語だ。

SAMURAI 7 第13巻 (初回限定版) [DVD]

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