落選経験から学ぶ

 近所で開催されていれば、必ず参加したかった企画です。JIフォーラムに気軽に参加できるようになるが、10年以上前からの密かな目標の1つなのですが、なかなか実現できません。

 落選した候補者・議員に話を聞くことは、そうはないと思います。ビジネスや市民活動の世界では、失敗から学ぶという事はよく言われますが、現実に学ぶ機会を得ることは難しいと感じます。

 また、選挙は、その都度人を集めて実行するプロジェクトのため、落選すると候補者も含め関係者は離散してしまい、落選(失敗)の原因が検証されることはまずありません(当選後に選挙運動の課題に関する検証もあまりなされることはないですが)。

 実際に選挙を戦われて、落選された候補者の方の肉声を聞けるチャンスは、メディアが発達した現代でもまれだと思います。肉声を聞くことが難しければ、文献にあたるという方法がありますが、このテーマでは、それほどの数は出版されていません。

 落選経験を描いた書籍としてすぐに思い出せるのは、大前研一氏の都知事選「敗戦記」や石原慎太郎氏の最初の都知事選立候補を描いた沢木耕太郎氏の「シジフォスの四十日」ですが、考えてみるといずれに首長選に関するものですね。確か、国会議員の落選記もいくつかあったと思いますが、すぐに書名を思い出せません。

 今回のJIフォーラムについての二つの記事を拝見して、気になったのは、山田太郎氏のインターネットでどぶ板をやるという戦略と熊谷大氏の用がないのに人の家にいけなかったというエピソード。

 前者は、以前から強い関心があり、最近、山田氏を取り上げたインタビュー記事をざっと読んだのですが、インターネット選挙運動に地上戦の選挙運動のやり方を取り入れたとの印象を持ちました。一度、きちんと学んでおきたいです。

 後者は、少しびっくりしていまいました。失礼ながら自民党にこんなシャイなタイプの議員さんがいたんだなあと。私が若い頃に体験した政治の現場では、ともかく、足で一軒でも多くの家を回ることが、政治家にもスタッフにも求められ、歩き続けることが普通でした。今も私の活動に関する基本は、そこにあります。カルチャーギャップを感じました。国会議員なら、どこにだって入っていけますし、追い返されることはそうはないのですが。

 といったようにいくらでも話したくなる題材です。どこかに記録をあげていただけないかなと思いますが、あつかましいですね。

 私が、選挙について本気で考えるようになったのは、友人を落選させたからだということは、以前にも書いた通りです。つい、この話題になると熱くなってしまいます。

大前研一 敗戦記

大前研一 敗戦記

馬車は走る (文春文庫)

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