地方政治とニコニコ動画

 年末、地方政治に関るものとしては、僕の知る限りおそらく初めてだと思うのですが、名古屋市政に関して市長選候補者などのインタビューがニコニコ動画の生放送で動画配信されました。


名古屋トリプル決戦!石田芳弘 私の主張 - ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv35807190

名古屋トリプル決戦!河村たかし 私の主張 - ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv35807276

名古屋トリプル決戦!横井利明・市議会議長 私の主張 - ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv35807353


 横井利明市議会議長のブログのコメント欄を見ると、これまでニコニコ動画を見たことのない方たちが会員になって生放送を視聴したことが確認できます。コメントを読みながら少々、牽強付会かもしれませんが、地方政治をうまく取り上げればニコニコ動画の利用者の裾野は広がるのではないかと思いました。まったくデータ的な根拠はないのですが、ニコニコ動画も発足から4年経ちオタク層のユーザーとしての掘り起こしは限界に来ているのではないのではないでしょうか。既存のコアなユーザーは大事にしながらもさらに利用者を拡大していくために地方政治を取り上げていくことは、有効なのではないかとかってに考えています。


横井利明オフィシャルブログ:本日ニコニコ生放送に出演します!
http://blog.livedoor.jp/minami758/archives/1636013.html#comments


 名古屋市だけでなく大阪都構想でゆれる大阪府大阪市や市長と議会の対立が注目されている阿久根市など、全国的に関心を持たれている地方はたくさんあります。こうした話題性のある地域の当事者達をニコニコ動画の運営者が生放送として次々に取り上げればあらたな利用者が開拓されるのでは、ひょっとしたらそういう点を意識して今回の生放送はおこなわれたのではと書くのはいきすぎでしょうか。


 自分の意見を発信したいけど発信するツールを持ち合わせていない、地方政治の当事者にとってもニコニコ動画は魅力的な情報発信の場となる可能性があります。また、そうした地方政治の情報を知りたい市民はもちろんのこと、僕のような政治オタク(笑)にとってもとても魅力があります。


 動画投稿ができるウェブサイトは他にも多数ありますからその点では、ニコニコ動画は国産のパイオニア的価値はあっても珍しいサービスではありません。しかし、生放送の形でリアルタイムで双方向のやり取りができることは、対話が重要である政治においてはとても活きてくるのではと思います。例えば、個々の政治家の講演会に一々出かけていくことは、物理的、時間的な制約もあり多くの人にとっては難しいわけですが、生放送の形を取ることによりより多くの人のアクセス可能性は間違いなく増えます。また、後日視聴することも可能ですから都合のいい時にゆっくり見ることもできます。


 ニコニコ動画のシステムは、一般市民が活用可能で自ら発信できるという意味で市民メディア的な可能性をもったものだなと僕は思います。ニコニコ動画の動画投稿は、機材を揃える等、一定のコストはかかりますが、それほど難しい技術は必要ではなく少し勉強すれば誰にでもできます。コメントやツイッター連携を通じて意見を投稿することも可能ですし、誰でも会員にさえなれば視聴することができます。JANJANやオーマイニュースなどの市民メディアはビジネスとしては成立せず失敗したわけですが、ニコニコ動画は今年は黒字だったとのこと。案外、オタクの聖地と捉えられていたニコニコ動画が生き残り、将来、真っ当な市民メディアとして論じられることになったら面白いかもしれないと夢想しています。


 例によって思いつきで書いていますので明日になってみたらなんじゃこりゃ!!ってことになるかもしれませんが、まあ、いいか。


 1月10日におこなわれる名古屋市議会の解散を問う住民投票を考える公開討論会も「ニコニコ動画」は中継するようです。詳細は以下。

中日新聞:市議会の解散問い討論会 1月10日、市長らを招き:名古屋の乱(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/vsshigikai/list/201012/CK2010123102000106.html


【名古屋の乱】
市議会の解散問い討論会 1月10日、市長らを招き


2010年12月31日


 中日新聞は、政令指定都市で初となる名古屋市議会の解散を問う住民投票を考える公開討論会「徹底討論 2・6ナゴヤ住民投票」を1月10日午後3時から、河村たかし市長や横井利明市議会議長ら関係者を招いて名古屋市公会堂(同市昭和区)で開く。


 議会の解散請求(リコール)を主導する河村市長とリコール請求代表者の平野一夫氏が賛成の立場から、横井議長と石田芳弘衆院議員が反対の立場から、議会解散の是非について討論。四日市大地域政策研究所の竹下譲所長、井上治子・名古屋文理大准教授、各地の住民投票を取材している今井一氏を交え、議員報酬や減税、議会と首長のあり方を市民とともに考える。司会は志村清一・中日新聞編集局長。


 入場無料。整理券を8日午前10時から午後2時まで、名古屋市中区三の丸1の中日新聞社正面玄関で一人4枚まで配布する。定員に満たない場合は当日午後1時から先着順で受け付ける。討論会は当日、動画配信サイト「ニコニコ動画」でネット中継する。


 問い合わせは1月4日以降に中日新聞社会事業部=電052(221)0732=へ。

市民メディアの挑戦

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メディア・ルネサンス―市民社会とメディア再生

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非営利放送とは何か―市民が創るメディア (龍谷大学社会科学研究所叢書 81巻)

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