惰性で買って読んでしまう。もう、新しい表現はないということを知りながらも水戸黄門を楽しむような気持ちで読めるのでまあいいかと思うことにする。キャラクターを多くしすぎて全体の印象が薄くなってしまっている。おそらく、その時々の作者の関心で新しい登場人物を出しているのだと思う。元々の主人公たち4人をしっかり書くだけで十分に面白い作品になるはずなのだが、なんで欲張ってしまうかなあ。犬を撲殺して命を奪うことを経験させるシーンを10代の頃に本作で読んだときは血が煮えたぎったが、もう、そういう小説を書く力は筆者にはないんだろうな。
- 作者: 夢枕獏
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/03/19
- メディア: 新書
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