合意をつくる努力をするのが政治家の仕事ではないのか

 阿久根市の市民懇談会に出席された方のツイートをまとめて読む。一連のツイートを詠む限りあまりにもひどい状況で読み返す気力がでてこない。


 安易に市民間の対立を煽るのではなく、意見や立場の違う人々の間に入って粘り強く調整をおこない合意を作り出すことが政治家の仕事ではないのか。地域に癒せない深い対立を残してこの首長は何がしたいのだろう。公務員給与の問題も含め行政システムに少なからぬ問題があることは十分に私も理解しているつもりだし、常に改革をおこなうことを否定する気は全くない。しかし、わざわざ敵として行政を捉えて貶め荒っぽく扱うことで世論を味方につけようとするやり方に危惧を覚える。こんな政治手法が全国に広がったらと思うとぞっとする。社会のシステムに対する信頼を損なわせることは実は容易い。だが、そのことによって生じるマイナスがあることを想像できないのだろうか。


 保守することは時に改革をおこなうよりも困難をともなう。壊すことは容易いが守ることは難しい。失われてしまってから後悔しても遅いのだ。政治に携わろうという人は、政治とは簡単に結果を出せるものではなく、むしろ簡単に見える答には危険が潜むということを深く認識すべきだ。


 「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である」マックス・ウェーバー(1980)『職業としての政治』(岩波文庫岩波書店.


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職業としての政治 (岩波文庫)

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