「ニセ議会基本条例ってなんだ?」 シンポの報告を読んで

 報告を読んで、議会基本条例の現状は、NPO畑の人間からするとひと頃流行ったNPOと行政とか市民と行政の協働条例とあり方がそっくりだなあという感想を持った。


 結局のところ議員だけでなく市民や職員の意識が変わらないといけないし、変えていくための試みが重要なのであって器を作ることはそのための手段でしかないというあたりまえのことを再認識させれる。行政評価とか協働などもそういう効果をねらったものだと私は理解している。その文脈でいうと議会基本条例の制定という形が必須なのではない。アリバイ作りのために先進事例をコピペして作られたものや努力規定だけで義務がともなわない内容であるなら、それはニセものだといわれても仕方がないだろう。シンポでもふれられているが、自治体のおかれている状況や、規模などが違う中ですべてのまちの地方議会が同じ役割、機能を持つ必然はない。自分のまちの議会はどんや役割を持つべきなのか、そのまちに暮らすさまざまな立場の市民が議論に参加し議会のあるべき姿をつくりあげていく、そんな作業を常に続けていくそのプロセスにこそ意味があるのだと思う。


 それにしても、東京財団が今回おこなった調査で、議会基本条例の必須要件としてあげている「議会報告会」、「請願・陳情者の意見陳述」、「議員間の自由討議」をほんのつい数年前までほとんどおこなっている地方議会がなかったということにいつも驚愕させられるのだが、こうした感覚を持つのは私だけだろうか。


●【「政策懇談会 地方議会の改革 ニセ議会基本条例を斬るⅡ」報告 】東京財団 - TKFD - THE TOKYO FOUNDATION
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=537


●ザ・選挙-「ニセ議会基本条例ってなんだ?」 シンポに議員ら300名参加
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_news/1001/1001280186/1.php