構造改革がこういう意味なら少しは面白いかも(?)

 変化と進歩を嫌う伝統的保守派(?)を自認する私ですので当然構造改革には批判的でないといけないですが、今日の日記は構造改革派へのエールになっているかもしれません(笑)


>Q.今の政治についてのお考えは?人を助けるという政治であってほしいですね。仕事が無くなる、住む場所が無くなると言う現状を見ると、今こそ政治の出番ではないでしょうか?国民のために少しでも灯りが灯る政治に決断が必要ではないでしょうか?きっと、神様は悪いことばかりを与えられることはないでしょう。しかし、国民も努力をすべきだと思いますが、少しでも明るい日本にするために、中川さんはどのようにお考えでしょうか?自民党は貧乏人を殺してしまうのでしょうか?お答え下さい。(島根県、63歳、女性)


>A.厳しいご指摘をしっかりと受け止めたいと思います。いまは世界中が新しい社会に向けた転換をめざして、「産みの苦しみ」の中にあります。それは、「まともな社会」への転換なのだと思っています。助けあい、いたわり合い、分かち合いの社会にするための政治でなければなりません。非正規雇用の方についてのご指摘と思います。非正規雇用の方を切り捨てて守ろうとしているのは、経営者の利益だけではなく、実は正規雇用の方の雇用であり賃金です。つまり、ひとつの家庭の中で、お父さんの雇用と賃金を守るために、お母さんのパートが切られ、新卒の子供が正規雇用につけないという状況が生まれているのだと思います。こんなことで、お父さんが首切りにあったらこの一家はどうなってしまうでしょうか。私はここ数年、正規雇用と非正規雇用の差をなくして、全員が職務給をもとに働くべきだと思っています。この制度への最大の抵抗は「自分は若いときに安月給で働いたのだから、仕事以上の給料をもらう権利が私にはある」と思っている中高年齢の男性正規社員の一部のみなさんです。しかし、それが青年たちの雇用を脅かし、日本社会全体を弱体化していることに思いを寄せていただきたいと思います。一家の家計は、家族全員で分かち合いをしていくべきではないでしょうか。政府も、経営者も、正規社員の労働組合も、非正規雇用のために「三方一両損」の努力をすべきと思います。オランダでもそうした合意をしたことがあります。なお、政府・日銀はすべての人が安定した雇用が維持されるように政策運営をする使命があります。そのことを絶対に忘れてはいけません。


 ちょっと長いですが、上記の引用は、自民党中川秀直さんのHPから。Aが中川さんです。もし、こうした日本社会の硬直した構造を破壊するのが、いわゆる2000年代に言われた構造改革であるとするなら、この部分だけは支持してもいいかなと思いました。中川さんもこういう話をメディアに出たときにびしっと言えば、もう少し違う支持者がつくと思うんですけどね。構造改革のスタンダードなイメージが、正規職員の地位に胡坐をかいている人たちの既得権益を剥奪することだとは多くの人は考えてないので、もし彼がそれを意図しているのなら、そのことを前面にアピールすればもっと構造改革論議は説得力を持つのではと考えたわけです。


 ただ、そうした論であるとしても構造改革論者にありがちな市場による調整の枠組みのみを信奉して、健全な競争がおこなわれれば市場によって健全な調整も自然におこなわれると考える姿勢はナイーブすぎるように私は感じますし、また、公の機能、富の再配分の構造をどう考えるか、特に福祉はどのようにおこなうべきかという点に関する議論や視点は欠けていると感じさせられることが個人的には多いですね。別に市場の調整機能を全否定するわけじゃないですけどね。ただ、それがすべてであるのなら政治機能とは何なのかと。


 経済学者は商売柄、市場ラブ(笑)という主張をしていてもいいと思いますが、中川さんは政治家として政治の機能を考えないといけない。これからの日本では、市場と公の機能(国家)はいかなる関係の下にあるべきかを考え世に問う必要はあるのではと考えます。そういう話を有権者に伝えることが集票につながるそんな世の中だといいのですが、まあ、選挙はそんな甘いもんじゃないことは知ってはいるんですけどね・・・


 そういえば、中川さんの著書「官僚国家の崩壊」は読んだのですけど中身はほとんど覚えていないので、今日私が書いた点についてすでに論じておられたらすみません(笑)


今日の日記の元ネタとなったブログ→「中川秀直「非正規雇用の方を切り捨てて守ろうとしているのは、経営者の利益だけではなく、実は正規雇用の方の雇用であり賃金です」- Zopeジャンキー日記」<http://mojix.org/2009/07/20/nakagawa_koyou>(2009/7/22アクセス)


参考)正規社員の解雇条件緩和論
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%AE%E8%A7%A3%E9%9B%87%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E7%B7%A9%E5%92%8C%E8%AB%96

官僚国家の崩壊

官僚国家の崩壊

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