ある種の「ムラ祭り」としておこなわれてきた日本の選挙の一面を甲州選挙を例にとり政治風土の奥底にまで切り込みながら分析した良書。こうした民俗組織、義理人情に支えられた選挙風景は地縁やコミュニティが崩壊する中で過去のものとなりつつあるのだろうが、完全に消え去ったわけではない。非難を浴びる事の多いこうした日本の政治風土だが、本当にすべて消え去っていいものなのだろうかと直感的に疑問を感じた。
大部の書で読みこなすのは大変だが、日本の地方の選挙を支えた政治風土を知り、今後の選挙のあり方を考える上で最適の一冊として推薦したい。
- 作者: 杉本仁
- 出版社/メーカー: 梟社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (11件) を見る