自民と民主がなくなる日―永田町2010年 (幻冬舎新書 と 1-1)

 2009年の総選挙以降にどのような政界再編がおこなわれるか予想している。巻頭に掲載されている人物相関図は自民と民主の党内力学、キーマンの関係をうまく描いていて参考になる。


 ただ、読売のナベツネ日本テレビ氏家斉一郎の力については過大に評価しているのではないかとの感を覚えた。確かに彼らが、大きな力を持っているのは事実だが、政権を左右するまでの力はないのではと思う。実際、取材をおこなえる立場にないので確認はできないが、この二人の政界に対する実力については、彼らの強烈なキャラクターに中てられて、結果的に筆者に限らず多くの論者が必要以上に持ち上げてしまっている気がする。


 確かに、投票で選ばれたわけではない一私企業の経営者、それも新聞・テレビという第四の権力を手にするものが、政権のゆくえに大きな影響力を行使しているとするならば大変問題ではあるのだが、そこまでの力は彼らにはないのではと考えている。なぜなら、彼らが願う方向(例えば大連立)に必ずしも政局は動いていないからだ、彼らはマスコミ界のキーマンではあるけれども一昔前のフィクサーと呼ばれたような人たちほどの力は持っていないと思う。

自民と民主がなくなる日―永田町2010年 (幻冬舎新書)

自民と民主がなくなる日―永田町2010年 (幻冬舎新書)