後房雄名古屋大学大学院法学研究科教授、名古屋市経営会議に参画

 『日経新聞』2009年5月9日朝刊「市の経営会議に名大教授出席へ「河村人脈」の一人」」によると名古屋大学大学院法学研究科教授で河村たかし名古屋市長のブレーンでもある後房雄氏が名古屋市の経営会議に経営アドバイザーとして参画することになったとあります。


 名古屋市のウェブサイトによると経営会議とは、以下の役割を果たす機関とのこと。


 「経営会議」は、市政における経営戦略機能の強化を図るため、市政運営における重要な方針について的確な判断や意思決定を行う場として、平成13年10月に設置したものです。経営会議では、民間企業経営者などからなる「経営アドバイザー」にも参画していただき、経営アドバイザーからの客観的、専門的な意見・提言をふまえて、総合的・戦略的な観点からの議論を行っています。「名古屋市経営会議名古屋市政)」http://www.city.nagoya.jp/shisei/gyouzaisei/keieikaigi/(2009/5/9アクセス)


 ざっと会議概要に目を通した限りでは、毎回、市長や3人の副市長、各局の局長などが出席しておこなわれており、実効性や成果がどの程度あがったのかは、詳しくウェブサイトからは読み取ることができなかったが、顔ぶれだけをみるとそれなりに重みのある会議であったことが想像できます。


 現在の委員は4名、赤崎まき子(株式会社エイ・ワークス代表取締役)、石原俊彦(関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科教授)栗岡完爾トヨタ自動車株式会社相談役、豊田通商株式会社監査役藤沢久美シンクタンク・ソフィアバンク副代表)。 記事によると彼らは、辞任されるとのこと。赤崎氏は、大企業ではないが、愛知ブランドや名古屋に関するガイドブック、行政広報誌などの製作をおこなっている企業として知られている株式会社エイ・ワークス社長。石原氏は公認会計士資格を持つ学者で、監査論や簿記が専門。他の自治体でも多くの委員やアドバイザーを務めた実績のある人物。栗岡氏は、トヨタ自動車株式会社取締役副社長を務めた財界人で、現在は、名古屋商工会議所の副会頭。藤沢氏は、この委員の中では一番一般に知られている人といっていいと思いますが、BS11で報道番組を持ち、NHKをはじめとするテレビメディアへの出演も多い著名な経済評論家です。


 彼らが辞任してまで後氏を委員に据えるということは、後氏がこの4名よりも実力のあるいわゆる学識経験者であると河村市長が判断したということであり、また、平成16年度から平均して10回あまり開かれてきた「経営会議」は機能していなかったということを暗に指し示しているともとれます。また、受け止め方によっては、現在の委員は役割を果たしていなかったと非難されているともとれ、今回の一連の流れと新委員の登用が持つ意味、そのあたりのところを検証、解説した記事を読みたいのですが、日経の記事は、委員の辞任と新たに設けられた(?)経営アドバイザーとしての経営会議委員への参画ということにしか触れられておらず事実関係のみがわかる小さいなストレートニュースの扱いでした。この判断がどういう意味を持つのか、もう少し踏み込んだ検証記事が続報として出てくることを期待します。


 また、少し前の記事になりますが、当選後すぐの新聞報道では、国の経済財政諮問会議をモデルに市組織の外部に専門家らによる市長直属の諮問会議、市長の戦略チームを置くとの報道もあり、今回の日経の記事を見る限りでは委員は入れ替えるとはいえ、既存の組織を活用することになっておりずいぶんと話が違うのようにも感じるのですが、その点についても検証がほしいところです。
中日新聞』2009年4月27日朝刊「河村氏、副市長に民間人登用へ」
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2009042702000138.html?ref=rank


 後教授は、特定非営利活動法人市民フォーラム21・NPOセンターの代表理事として愛知のNPO界では知らぬ人がいないほどの著名人です。私も親しくお話をするような関係ではもちろんありませんが、面識はあります。今回のことは、大学教授の顔としての活動ではあると思いますが、世間には後教授は、NPOの人とのイメージも一定以上ひろがっています。また、ある意味、名古屋地域のNPOセクターの代表として捉えられる面もあると思います。私などがとやかくいうのは恐縮ですが、名古屋のNPOセクターの評価が向上し社会的信用が増すように今回の「経営会議」委員を見事に勤め上げていただきたいと切に願います。


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