議員秘書の打ち明け話―金に、選挙に、陳情に…元議員秘書が明かす政治の裏 2009年04月22日 18:19

議員秘書や政治評論家、元議員などの政界関係者が打ち明けても問題のない話をピックアップしてまとめ出版する定期刊行本の中の一冊(この類の本でもっともヒットしたのは、小泉首相秘書官を務めた飯島薫の「(2001)『代議士秘書―永田町、笑っちゃうけどホントの話』 (講談社文庫)講談社」 )。もし、あなたが床屋政談が好きで政界の噂話、ゴシップの類を週刊誌等で読むのが苦にならない人なら本書を楽しんで読むことができると思う。ちなみに私はそういう人なので大変楽しんで読ませいただいた。中古で105円で買った本だったということも大きかったかもしれないが(笑)


 筆者は、最近はテレビのコメンテーターを務めたり、週刊誌の選挙予測などでも目にすることが多くなった国会議員秘書出身の政治評論家。


 筆者が秘書として活動したのが、80年代から90年代前半にかけてなので、55年体制時代の利益分配型保守政治全盛の秘書の役割がどういったものだったのかがよくわかる。労働法などどこへやらという苛酷な環境の中で、多少の笑い話でも収集していなければやっていられなかったのだろう。金、選挙、陳情にまつわる話はもちろんこと、特定の議員についてのちょっとした暴露話もあり、サービス精神にあふれた内容となっている。さすがに10数年前に出版された本なので物故されたり失脚した議員の話も多いが、それはそれで懐かしくなかなか面白かった。


 それにしても誰が言っていたかは忘れたが、政治家の秘書になっても政策になど詳しくなることはない、ただ、政治家についてのゴシップ、噂話はいくらでも詳しくなれるというのは本当のことだということがわかる内容だった。


 今は、秘書のサラリーマン化が進み、多少は待遇も改善され(私設にも社保がつくようになったり、ああでもこの間、雇用保険に入れてなかった事務所がけっこうあったという報道があったなあ。あんまり変わっていないのかも?)たと聞く。それにともなってかどうかわからないが、秘書自身のキャラクターも普通の感じの薄い人が多くなっていると聞くので、この本に書いてあるような体育会系のノリの秘書(昔は色のついたシャツを着ているだけでもおこられたからなあ)ばかりではない、きちんと政策のわかる秘書も多くなっているとは思いたい。でも、やっぱり選挙にまつわることがあいかわらず仕事の中心なのは想像に難くないなあ・・・