昭和の偉人の血族が、偉人にまつわるさまざまな思い出を語る。政官財の要人から、文化、芸能の著名人まで取り上げられた偉人は、60人。
大衆は何も社会のことなど考えていないと嘯く息子に、西尾末広が「大衆はそんなに愚かではないよ」言った話は、まったく同じ言葉(主語は市民だったけれども)を私も尊敬する先輩にかけられた事があり、特に西尾末広に強い関心を持っていなかったにもかかわらず、読んでいて思わずはっとさせられた。
闇米を食べずに餓死した山口良忠判事の息子が、父の美名を自分が生きていくうえで大きなプレッシャーと感じていた話など印象に残るエピソードが多数紹介され興味深い。
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