政治家の生き方 2006年03月22日 00:13

 本書では、伝記や評伝を参考にして、明治から昭和前期に活躍した尾崎行雄鳩山一郎といった現代でもよく知られた政治家や地方の名望家出身のそれほど有名でない政治家などさまざまなタイプが紹介されています。章ごとに独立した構成になっており、新書版で気軽に読めるため、例えば、学部レベルの日本政治史の副読本として使っても面白いのではと感じました。


 戦前にもキャリア官僚の代議士への転進ブームがあったことや筆者の授業で永井柳太郎の演説の映像を観た学生が、立派な演説だと感じた話など興味深く記憶に残る描写が多数あり、取り上げる政治家を変えて続編を書いて欲しいですね。筆者は、中央で活躍した政治家以外の地方の名望家といった系統の政治家についても関心をもっておりそうした対象への研究も今後期待できそうです。