政治家
なぜ、松岡利勝氏は自殺しなければならなかったのか。現職の大臣の自殺という過去に例のない事件であったにもかかわらず真相は藪の中です。時とともに忘却されていこうとしている事件ですが、どうして彼は死んだのか。その理由が知りたくて本書を手に取りま…
日本共産党という党の体質が非常によく理解できるようになる一冊。本書の出版を機に筆者は評論家、作家として活躍することとなった。 それにしても、なぜ、共産党は個々の政治家のキャラクター、個性を伸ばすことで党勢拡大を目指さないのだろうか。私は共産…
ふと思いついて、河村たかし名古屋市長のメディアへの登場回数を測定してみました。測定に使ったのはgoogleのニュース検索。25,000 以上のニュースソースからニュースを検索できるシステムで、読売、朝日、中日、東京、毎日、日経、共同、時事の主要な新聞と…
週刊文春で不定期に連載してきた世襲議員問題についての連載に加筆修正をおこなって新書にまとめたもの。週刊誌連載を読んでいた人には復習になってしまい物足りないかもしれないが、はじめての方にとっては大変衝撃的な内容だと思う。 筆者はまずあえて世襲…
民主党の結党から現在までを描いた新書。類書の中ではもっともよくまとまっていると思う、特に党内のグループ(派閥)や地方組織、支持団体について詳しく書いている点は興味深い。民主党について理解する入り口、入門書としては最適の一冊。民主党―野望と野…
2009年の総選挙以降にどのような政界再編がおこなわれるか予想している。巻頭に掲載されている人物相関図は自民と民主の党内力学、キーマンの関係をうまく描いていて参考になる。 ただ、読売のナベツネと日本テレビの氏家斉一郎の力については過大に評価して…
大家清二のペンネームで1995年に私の人生を変えた書『経世会死闘の七十日 』講談社を書いた著者の体験的政治家論。テレビで観る時の筆者のコメントには、正直なところ素直に首をふれないときもあるのですが、やはり腰を落ち着けて思考をまとめて書いた本は相…
失礼かもしれないが、本書は少し悪人の話のほうが善人の話しよりははるかに面白いという典型ですね。いわくつきの元参議院議員が集まっての討論会、第一弾。隠し砦の三悪人じゃないですが、単なる対談ではなく、悪漢が三人集まって鼎談になれば最強(?)と…
2005年の小泉郵政選挙の後に何冊か出版された政党のメディア戦略、コミュニケーション戦略について政党がメディア(特にテレビメディア)を積極的に活用するようになった経緯を歴史をたどりながら概観した書。自民党の広報PRチーム「チーム世耕」の評価は…
ほとんど本書のシュミレーションで分析されたとおりに自民党の人事はおこなわれ、出世すると指摘されていた議員(あたりまえのことだが、若くして当選した2世議員が多い)が出世している。 本書は、当選回数による人事システムが完全に確立していた80年代後…
官僚に作ってもらった質問の朗読、同じく原稿の棒読みによる答弁、ばかりがおこなわれ論戦とよべるものはほどんとおこなわれてこなかったと考えられて来た戦後の国会において、真の論戦と呼ぶにふさわしい激しいやり取りが交わされていた。その記録を戦後の…
再読。中日新聞社会部が戦後三十年余りを契機にとして総力をあげて、地方の政治の記録を徹底的な取材でまとめた労作。戦後、三十六年という時間の流れは、一つの世代が退場していくには十分な時間で、あいちの政治史をつくった証人たちに直接取材をおこなう…
この男は強い男だ。一読してそう感じた。挫折を乗り越えた経験を持つ人間は強い意思を持つ。彼は、その意思の力で国会議員になり、孤立する中でも戦いを続け、そして今、悲願の市長の座を手にした。しかし、多くの名古屋市の有権者や全国の河村たかしのファ…
与謝野氏が総理大臣になる目は消えたのか。麻生政権の支持率が回復し小沢一郎が退場する中で総選挙前に与謝野氏が総理大臣になる可能性は、低くなったと見ていいと私は考えている。総選挙後に大連立論が再燃するような状況になった場合は、もう一度チャンス…
いやー、アフタヌーン新書が出たとかそんなことで驚いている場合じゃなかったですね。まさかの小沢民主党代表辞任。でも、補正と党首討論、都議選に代表される地方選など諸々の政治日程を考えると絶妙のタイミングともいえなくもない。時期を計っていたんで…
筆者は、元参議院議員で国会職員時代から小沢の最側近と目されてきた人物であり、数少ない小沢から離れていかなかった側近である。新生党結党時の44名の国会議員のうち、現在まで一貫して小沢に付き従っているのは、藤井裕久(第44回総選挙で落選、後に繰上…
彼は政治家ではないな。 たまたま蔵書の新書を整理していて目に付いた本書を久しぶりに再読して、以前、一度読んだ際にもそう感じたことを思い出した。映画『選挙』では、観る事ができなかった彼が政治の舞台でやりたかったことが書いてあるのではと期待して…
著者は、大島理森自民党国会対策委員長(元官房副長官)の秘書出身の学者。最近は、時折、筆者のような秘書出身の学者という人がいて驚かされる。政治家の秘書という職業を色眼鏡で見ているわけではないのだけれども、どうしても票田を耕すのが仕事とのイメ…
愛知県選出の元衆議院議員(1946〜1972まで、55年、72年落選。通算、当選10回。)で自民党の全国組織委員長(各種団体の対策にあたる役職、今は組織本部長という役職名になっているよう。多くの団体と関係をもつきっかけがいくらでもある役職のためうまくこ…
井出正一(元衆議院議員、新党さきがけ元代表)の回顧録、『終の棲家さきがけ』三省堂をつい先日、購入した。前々から読みたかった回顧録でなかなか手にいれることができなかったもので、まだ、中身にはパラパラとしか目を通していないけど、これは間違いな…
世襲議員について調べていく過程の中でたまたま購入した一冊。筆者は、「新聞記者で死にたい―障害は「個性」だ 」(中公新書)で有名な毎日新聞の牧太郎氏。今の筆者はこうした政界本は書かなくなってしまったが、本書は、派閥記者全盛自体の往時の筆者の活…
変わらないな。本書を一読して覚えた感想である。1995年に地方分権推進方が成立したタイミングにあわせて出版されているので、さすがに古びていると感じる部分もあるが、本書で指摘されている地方政治が抱えている問題(あるいは危機というべきかもしれない…
国土の均衡ある発展などと言っていられた時代は終わり、日本のどこの街に住んでも同じサービスの受けられた時代ももちろん終わりが来た。もう、あたり前の認識になっているけれども本書で紹介されるさまざまな自治体の首長の取り組みを読んであらためてそん…
※注 おもいっきり私の特殊な趣味に走った内容になっています。書いているうちにどんどん長くなり長文にもなってしまいました。ご関心のない方は、さらっと読み飛ばしていただいても結構です。でも、書き上げた興奮もあってなかなか面白い内容になったと自画…
基本的には、よくあるキャリアを積んで、だいたい最終章が見えてきた政治家が出版する自叙伝。筆者が、県議会議員であることもあって、あまり聞きなれない人物の名前が突然出てきて面食らうこともしばしばといった内容だった。 しかし、本書には史的な価値は…
昨晩、彼女と二人で漫画喫茶に出かけて、クニミツの政(まつり)を久しぶりに読んだ。この漫画の中で取り上げられる色々な政策については、それはちょっと違うだろうというものはあるかもしれない。しかし、政治参加ということ、政治は選挙に行くこと、ある…
議員秘書や政治評論家、元議員などの政界関係者が打ち明けても問題のない話をピックアップしてまとめ出版する定期刊行本の中の一冊(この類の本でもっともヒットしたのは、小泉首相秘書官を務めた飯島薫の「(2001)『代議士秘書―永田町、笑っちゃうけどホン…
本書は、引退した政治家が、自らが挑んだものも含め国会で見聞した30年余りの国会論戦についての豊富な経験や記憶を出し惜しみせずに書き記した貴重な本である。筆者は、「論戦力」、政治家にとってもっとも重要な意味を持つ‘言葉の力’について常に真摯に悩…
アイデア勝ちですね。参りました。誰もが思いつきそうで思いつかなかった出版企画ですね。選挙に負けた候補者達の主張をアンケートで集めて選挙ポスターと一緒に掲載し、一冊の本にまとめてしまうという本。しかも2005年郵政解散の際にこの企画を通すとは時…
根本的に視点が違う。これは、斬新だ。誰とは言わないが、テレビによく出演している政治評論家の爺様たちは筆者に席を譲ったほうがいい。破壊力が違う(ただし私が見た限りでは筆者は、時折テレビ見かける際には、文書を書いた際の切れ味がなぜかなく大人し…