選挙に関わるということ

30回ほどだと思うが、個人として選挙を手伝って得たものは多かった。失ったものについては、あまり思い浮かばない。家族や周囲の人には迷惑をかけて申し訳なかったと思う。
選挙が特別なものだとも思わないが、人間の素晴らしい所もくだらないところもすべてが経験できる機会であることは間違いない。色々と大変な思いもするので無理に経験しなくともよいが、人間を知りたい人は一度体験してみてもよいのかもしれない。

平成の政治

大嶽秀夫京都大学名誉教授の新著が出版されていたことに昨日気づきました。平成の30年間の政治史を俯瞰した内容とのことで、ぜひ、購入して読みたいです。
大嶽教授のお話しを大学生の頃に一度だけ聞いたことがあります。さすがに20年以上前のことで講演の内容はほとんど覚えていないのですが、確か政界再編に関わるものだったと思います。
講演後の質疑応答で、私は、93年の自民党の分裂の直接の要因、きっかけはなんだったのかについて質問したと記憶しています。大嶽教授は、小沢一郎の役割よりも、武村正義が果たした役割に注目されていたと思いますが、なにぶん昔のことで記憶違いであったら申し訳ないのですが。
それ以来、勝手にご縁を感じて『アデナウアーと吉田茂』以降の著作を一通り手に入れて読んだり、『レヴァイアサン』に掲載される政治学者の論文に分からないなりに時々目を通したりするようになりました。
平成の後期から、現実政治の動きをリアルタイムでフォローすることへの関心がどんどん薄れています。政治に関わる論文はもちろん、文章自体に目を通すことも少なくなりました。
しかし、令和へと時代が移ったことや平成の最後の5年程度は、私も選挙を通じて末端ではありますが現実政治に関わってきたこともあって、ここのところ少し過去を振り返りたい気持ちになっています。
あの時のあの出来事は、政治史的にはどういう意味があったのだろうか。歴史の流れの中でどう位置付けるべき事なのか。本書を読むことをそんなことを考えるきっかけにできたらと思います。

 

 

コロナ禍の政治活動・選挙運動

昼食を準備しながら考えたこと。それでどころではないという意見も多いと思いますが、コロナ下の政治活動、選挙運動について考えてみたいとという欲求がしばらく前から止まりません。
このまま単純に運動を自粛することがよいということになると現職や組織がある候補が圧倒的に有利な状況が続きます。それは、健全な民主主義といえるでしょうか。
今こそ、選挙のあり方を変える時が来たのではないでしょうか。政治活動と選挙運動を分ける考え方や過剰な運動規制を変えなければ、状況を追認していくだけになってしまうと考えます。
単純に選挙を延期すればいいということではないと思います。議員に任期があるのは特定の個人や政党に権力を永続的に持たせないためだと理解しています。しかし、いつ今の状況が収束するかわからない中で選挙の延期を選択し永遠に引き延ばすわけにはいかないでしょう。
制度を検討し変える時間をつくるために半年から1年任期を延長するという考え方はあると思います。
様々な選挙に関わる中で、現在の制度のおかしさを痛感してきました。私は、秘書や政党関係者、選挙コンサル、政治ジャーナリスト等の政治のプロではないただのマニアなので、ある意味、彼らと市民の間の感覚で選挙を見てきたと思います。
年に数回程度ですが、立候補されたいという方の相談にのることがあります。私はいわゆるプロではないので、経験してきた範囲で選挙の実際をお伝えするのですが、あまりの現行制度の不条理さに怒り出す候補者や支援者の方があります。
そこで鈍感になって、政治業界特有のふるまい、所作を学び慣れていくことができる人が政治家になっていきます。あるいは、政治業界に関わり続けることができます。私もまたその一人であるので偉そうなことは言えません。
しかし、優秀で志がある人達が、ある種のとんち合戦、大人の文化祭に一喜一憂し、貴重な能力を本来取り組むべき政策をつくることに注げず浪費する姿にこれでいいのだろうかとの思いを強くしています。
とはいえ、勝つためには、これまでのやり方を踏襲する必要があります。だからこそ私は業界の外の立場から、必死でそのやり方を学んできました。変人と思われながらも様々な人の縁をたどって選挙に関わり続け経験を蓄積してきました。
そうした行動を取ることになった経緯については以前も書きましたので繰り返しませんが、私なりの信念があって取り組んできたことでそのことを卑下することはありません。ただ、やはりこれで本当に日本の民主主義はいいのだろうか、青臭いですが、そのように思うことが多くなってきました。
野にあり何の力もない私に何ができるのか。自問する日々が続いています。

秘密資金の戦後政党史

家事を片付けて休憩中に読書、論文や専門書を読みこなす元気はないので、軽めの読み物として、積読になっていた『秘密資金の戦後政党史』を選びました。
移動時間以外の読書は久しぶりな気がします。と言ってもそちらもほとんど読み進められていないのですが。
政治関係の文献は、現在進行形の話は必要に迫られた場合以外は読まなくなって久しいです。
こちらの書籍、新資料や証言が出てきたわけではなく、新しい発見はないのですが、タイトルや帯のコピーから感じる生々しさはあまりなく、全体像を概観する上ではよかったです。
元々、私は政治に清潔さや潔癖さを求めていないので、九十年代にこういった話が表に出てきた時もそれほど衝撃を受けませんでした。三十年近い時の流れの中で、より歴史になったと感じる読後感でした。
 

2019年のふりかえり

年内最後のゴミ捨てや部屋の掃除に取り組みながら今年一年をふりかえっています。積み残した仕事が気になりつつも、大みそかになるとさすがに一区切りする気持ちになります。
今年もありがたいことに多くの新しい出会いがありご縁を持つことができました。また、これまでお付き合いがあった皆さんとのご縁が深まり、交流させていただくことができたことが、本当に嬉しかったです。心から感謝いたします。
NPOの領域では、私自身の環境が徐々に変化したことに伴って、極めてあわただしい日々を過ごしたと感じています。先ほど、1年近く前の資料を片付けていて気付いたのですが、数年前に取り組んだことと思っていた仕事が、ごく最近のことだったことに気づいて、今年の密度の濃さを知り、今さらながら驚きました。
少し前にも書きましたが、機会をいただけることを本当にありがたいと思いつつ、自らの力ではもはやいかんともし難いと感じることに対応しなければならないことが多くなっています。しかし、次の世代の志を持った人々が活動をつづけていくための様々な環境づくりに僅かでも貢献できればとの想いから、引き続き、力を尽くそうと思います。
就職浪人からNPOに入った私は、NPOによって初めて社会的な役割を得たと思っています。あれから20年近くが経ち、何度も失敗を重ねましたが、そのたびに市民セクターの先輩や仲間たちに支えられて今があります。皆さんへの感謝の念を忘れずに行動したいと思います。
また、私のことを思い、苦言を呈しくれる仲間の存在が本当にありがたいです。これからもこうした関係性を大事にしていきたいと思います。
政治の領域では、統一地方選からスタートし、いくつかの選挙に関わらせていただくことができました。微力ですが、尊敬する先輩や友人たちの活動を応援し、彼らが志を果たすことに貢献できたことは、密かに誇りとするところです。引き続き彼らの応援を続けていきたいと思います。
学生の頃から断続的に選挙の現場に関わってきましたが、ここ5年ほど意識的に経験を重ねる中で少し見えてきたことがあります。それは、小手先の選挙技術をいくら磨いて現場に導入してもほとんど結果に影響を与えることができないということです。
そんなことをしたところで、私が、内心、嫌ってきた口だけで偉そうなことをいいながら、汗をかかないおっさんになるだけだということに気づきました(私が常に恐れているのは自分が現場でそういった存在になってしまっているのではないかということです)。
候補者の日頃の活動がほぼすべてだと考えるようになりました。ここ数年で1、2週間程度しかない選挙運動の中でできることの限界を感じていましたが、あらためてそのことを確認した一年でした。
純化して書いてしまえば、どれだけ日常の活動の中で地域を歩いて、人と会ったかが選挙結果に一番影響を与えるということです。私が、若い頃に学んだことは正しかったとあらためて思いました。
仮に時計の針を18歳の頃に戻せるなら、あのころ、現場で学びかけていた個人後援会型の政治活動、選挙運動を徹底的に学びたいところですが、残念ながら、時を遡ることはできません。選挙については、機会があれば、また、項を改めて書きたいと思います。
人生意気に感ず、功名誰か論ぜんという言葉が何度も頭をよぎる一年でした。文字に書いてしまうと安っぽくなってしまいますが、私は、今さら名を上げることや位階勲等のようなものには興味がありません。お金はあるに越したことはないですが、儲ける見込みはありません(笑)
ただ、自分のことを必要だと言ってくれる人の気持ちに感じ入って行動する。私のような人間に期待をかけてくれることに感謝をし、それを原動力に前に進む。そこに高邁な思想や理想があるわけではありません。私の基礎にはこのような考え方があると確認した一年でもありました。
私の理屈っぽい議論にいつも応じてくれて、常に深い示唆くれるつれあいに心からの感謝をささげて、ふりかえりを終えたいと思います。いつも本当にありがとう。

九州北部豪雨の被災地支援の取り組みへのご協力をお願いいたします

友人が理事長を務めている佐賀未来創造基金が、令和元年8月九州北部豪雨の被災地支援の取り組みに寄付を集め、助成をおこなう「佐賀災害基金」を立ち上げました。被災地に元気を送る人々を応援する基金です。ぜひ、寄付をお寄せください。よろしくお願いいたします。

saga-mirai.jp

そういえば、ブログ変わっていたのか

 以前、一応アーカイブしておいたので、過去記事は残っているが、デザインが大きく変わり使い勝手が違う。Wordで文書を打っている感じに近い。本質的な機能はあまり変わってないのかな。リンクはなくなったのか、やり方がわからないだけなのか。